こんにちは、ゆま(@yumakkote)です。4月の終わりに久々に会う友人と広島県立美術館に行ってきました。
今回の特別展は浮世絵。歌川国芳と弟子たち(月岡芳年とか落合芳幾とか)の作品です。浮世絵というか日本画って、平面的だし写実的でもないんだけど、不思議と躍動感があって生き生きしてますね。色もほとんど赤青黒しか使われていなくて時々緑と紫が入るくらいなのに、何故だかすごく鮮やかに見えました。
さらに太っ腹なことに全作品撮影可能!後で見たときに、気になった作品とかポイントを思い出せてよかったです。
みんなが好きなものを、かっこよく!
浮世絵にもざっくりジャンルがあります。今回たくさん取り上げられていたのは、武者絵、美人画、血みどろ絵など。武者絵には妖怪退治を描いたものも多いです。

妖怪メイン、怪奇系のコーナーもあります。


ちょっとびっくりした、鬼婆にフォーカスしたコーナー。

一ツ家伝説というらしいです。能の演目にもある黒塚(安達ヶ原)と同じ類の話で、山の中でぽつんと一軒家を見つけて泊めてもらったらお婆さんが包丁研いでる系です。これだけ集まったということは当時流行ったのかなあ。
有名人やニュースになったできごとを題材にしたものもありました。当時はすぐに情報が正しく入ってくるわけじゃないので、間違った話を元に描いちゃった絵があって、技術の発達を思い知る。


いち早く流行に乗って浮世絵で新聞を描いてみるのもその意気やよし。
どの題材を見ても分かるのは、その時人気があるものを描いてるんだなあってこと。これはキャプションと音声ガイドのおかげです。浮世絵を楽しむ当時の庶民を身近に感じて、楽しく見られる展示でした。
(ちなみに音声ガイドはゲーム「刀剣乱舞」で三日月宗近役を演じている声優の鳥海浩輔さんが担当しています。聞き取りやすくて、観覧のサポート的な内容になっていました)
血みどろ絵
変わっていたのが血みどろ絵のコーナー。怪奇ものの一部として設けられ、障子で区切られています。刺激の強い作品が多いので配慮しているそう。これはもしや思い切った取組みなのかな?

しかしまあ、作品を見ますと、思いっきり血が吹き出すし、何なら首も飛ぶし、血糊をリアルに表現するために絵の具をテカらせて工夫しているし……とたしかにやりたい放題なのでした。私はあまり気になりませんでしたが、個人差はかなりありそうです。

面白かったのがストーリー設定です。登場人物が凶行には到るまでの顛末がキャプションで解説されているのですが、何度も出てくるのが「本心ではないが別れを切り出す」「相手の女性が実は妹」という設定。ドラマによく出てくるやつだわ……。
日本人、昔からこういうの好きだったんだなとしみじみ感じてしまいました。
西洋画へのリスペクトも
国芳は西洋画もたくさんコレクションしていて、家に来たお客さんに自慢しちゃうくらいだったんですって。自分でも晩年は遠近法を取り入れた絵を描いています。弟子たちが西洋風に描いた絵もありました。リアリティのある絵を見て興奮する感じは分からなくもない。

でも、それ以前の絵と見比べると、確かに上手いし本物らしいけど、以前の絵と比べると躍動感や臨場感みたいなものは負けてるかな……とも思いました。隣の芝生は青いってやつなのでしょうかね。
おわりに
全然詳しくなくても浮世絵を楽しめた展示でした。福岡への巡回(11/16〜)があるので、お近くの方で気になられたらぜひ〜。
- 挑む浮世絵 国芳から芳年へ
- 会期:2019年4月13日(土)〜5月26日(日)会期中無休
- 会場:広島県立美術館 3階特別展示室
- 開館時間:9:00~17:00(金曜日は20:00まで)
- https://www.hpam.jp/museum/exhibitions/挑む浮世絵国芳から芳年へ/